日本平和学会2019年度秋季研究集会
『平和と音』をめぐる理論・思想・実践
第1部 「平和を創る音」ワークショップ
ファシリテーター
立教大学
佐藤壮広
第2部 「平和と音」特集号より
報告1 「PLUR カントの『思想』とEDM」
上智大学
田中公一朗
報告2 「平和と音 現代音楽からの若干の示唆」
首都大学東京
長谷川貴陽史
報告3 「『ボブ・ディランという音』と平和学 ポール・ウィリアムズのディラン論を中心に」
駒澤大学
芝崎厚士
本部会は、本年6月に刊行された『平和研究』第51号、「特集 平和と音」の執筆者、編者による、ワークショップと報告を組み合わせたセッションである。
「平和と音」特集号は、2016年10月の秋季研究大会において開催した部会「芸術文化と平和 クンストとしての音楽の可能性」での成果をもとに、「音楽」から「音」へと扱う視点を拡大した上で、広く執筆者を募集した。
その結果、2016年の部会でのEDM(Electronic Dance Music)に関する報告を新たなフィールドワークとその後の展開をもとに更に発展させそのスローガンであるPLUR(Peace, Love, Unity , Respect)の理念をカントの平和思想に関連付けた論考、ジェフスキー、カーデュー、高橋悠治、野村誠といった現代音楽における実践活動とそこから見出しうるあるべき社会関係のモデルについて検討した論考、2016年部会の直後にノーベル文学賞を受賞したことで改めて世界的な注目を集めたボブ・ディランのパフォーミング・アーティストとしての本質に関する論考を収録し、2012年6月の春季研究大会における「平和の音創り」ワークショップの意義について論じた「巻頭言」と共に刊行に至った。
そこで本部会では、「平和と音」について、上述の多様な分野における理論・思想・実践を特集した同号の刊行に合わせて、その到達点と課題を検討し、今後の研究の可能性や展望を切り拓きたい。この目的を効果的に達成するために、音をめぐる数々のワークショップを主催してきた「巻頭言」執筆者である佐藤をファシリテーターとするワークショップと研究報告・討論・質疑応答を有機的に組み合わせることで、本部会を、単なる報告と討論のみにとどまらない、これまでにないインタラクティブな、知性と感性を相互に触発する場となるように構成するものである。
※第1部のワークショップ、第2部の報告の詳細は『平和研究』第51号「特集 平和と音」所収の「巻頭言」「巻末言」および所収論文をご参照下さい)