ハンヒキヴィ・ワン/墓穴を掘る

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日本平和学会2017年度秋季研究集会

 

「ハンヒキヴィ・ワン/墓穴を掘る」(70分)

(製作:オレグ・ボドロフ、監督:ゲンナジ・シャバリン ロシア 2014年)

翻訳:高草木博 日本語字幕版製作:有原誠治

協力:原水爆禁止日本協議会 ※上映許可有

 

キーワード:フィンランド、ロシア、原発、放射性廃棄物、市民運動

 

ハンヒキヴィ・ワン(29分)

 ヨーロッパでフランスに次ぐ原発依存国がフィンランドだ。日本では、放射性廃棄物の最終処分施設「オンカロ」で知られる。ハンヒキヴィ・ワンとはハンヒキヴィ半島に建設予定の原発の名であり、「福島第1」と同じような名づけ方だ。その建設計画は、ロシアの核政策と深く結びついているという。本作では原発建設に反対する住民の声が生き生きと描き出される。

 

ストーリー: フィンランドの自然豊かなハンヒキヴィ半島近くに家族と住むハンナは、半島への原発建設計画を知って、反対運動に奔走して国会議員となる。フィンランドの原発建設には、ロシアの原子力エネルギー公社ロスアトムが深く関与。ハンヒキヴィ・ワン原発の核燃料には、ウラルのマヤーク核コンビナートで生成されたものが使用される。マヤークが垂れ流す水域の放射線量はチェルノブイリの三倍。地域住民への被害がすさまじい。そのシステムを作った人々もがんで亡くなったと証言する女性は、ロシアを追われている。

 

墓穴を掘る(38分)

 ロシアが進める放射性廃棄物の、最終処分施設の建設計画に反対するロシア住民、NGO、識者の声と行動を描いた作品。ゴルバチョフの科学担当顧問だったヤブロコフが、放射性廃棄物を完全に遮断・隔離できるような物質は存在しない、と警告。その真相と実態は衝撃的。核大国ロシアの国民は、環境と生命を守るために一歩一歩、行動に立ち上がっている。

 

ストーリー: ロシアの核開発は東西冷戦中の1949年に始まり、国家機密のため国民には秘匿。ずさんな管理運営から大規模な核事故を繰り返し、高レベル放射性廃棄物は核施設周辺河川に垂れ流され、地域住民を被ばくによる病気で苦しめてきた。そしていま、国営原子力企業ロスアトムなどによって、地下500mに高レベル放射性廃棄物を埋蔵する計画が実行に移されつつある。著名なボルスノフスキー博士は「直径1.5mないし2mの穴をボーリングし、核廃棄物を詰めた樽を重ねるように投棄する、それからセメントを流して、上に放射線の標識を立てます。それでおしまい。安くて簡単でしょう」と批判。埋蔵処分施設の建設を知った地域住民たちは、建設反対運動に立ち上がった。

(DVD付記説明より)