日本平和学会2013年度春季研究大会
日程:2013年6月15日(土)~16日(日)
会場:大阪大学豊中キャンパス・全学教育推進機構(下記リンクで30番の建物です)
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大会統一テーマ
日本平和学会設立40周年記念大会 平和の文化~継承と警鐘~
分科会のプログラムはこちら(←クリック)からご覧ください。
レジュメとフルペーパーの掲載は終了しました。
企画趣旨
平和学会の創設から40年を経て、平和研究が成し得たことと同時にその課題について振り返る節目を迎えた。今日の日本では、戦争を経験した世代の語りによる平和の継承が、徐々に終わりを告げようとしている。それと並行するように、過去の戦争の意味が自由主義史観の語りにより、いとも簡単に塗り替えられている現状は、平和を継承する責任を負う私たちに対して鳴らされた警鐘と言えよう。平和の意味を伝える役割を悲惨な戦争に負わせることで、そこから綿々と繋がっているはずの平和の文化を、日常の中の実体のある価値として語りきれなかったのではないか。人の関係性の根幹を形作る平和の文化を、そのような認識、発信と共有の過程を通して次世代に継承できるかを考えてみたい。
平和への挑戦は、国内外の社会の周縁に目を向けることによって構造的な暴力として認識されうるし、学校や家庭での人間関係のゆがみを通しても捉えることができる。3・11の出来事は、ヒロシマとフクシマ、オキナワとフクシマという形で、実際には平和への挑戦として繋がっている問題でありながら、その繋がりが十分に認識されていなかったことに光を当てることとなった。この警鐘を旨に、平和研究者の社会的責任を取り直し続ける企画を、今年度と来年度の2大会にわたって企画していきたい。
大会プログラム
6月15日(土)
9:00-11:30 部会
部会1(ラウンドテーブル)-「女性・戦争・人権」学会との共催企画「日本軍『慰安婦』問題の現状と解決への道筋-国際社会の動向、東アジア市民社会の連携」
パネリスト:
林博史(関東学院大学)
渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館WAM)
河棕文(ハ・ジョンムン)(韓国・韓信大学)
司会:古沢希代子(東京女子大学)
自由論題部会1
報告:谷整二(広島大学)
「広島原爆投下時における避難の実態-中等学校生徒の場合」
報告:繁沢敦子(広島市立大学院)
「『幻』のSTINKOプロジェクト-終戦直後の原爆フィルムの起源と変遷、封印をめぐって」
討論:根本雅也(一橋大学院)
司会:山田康博(大阪大学)
11:30-12:00 昼休み
12:00-14:00 分科会
14:10-14:40 総会
14:50-15:30 40周年記念講演:初瀬龍平(第12期会長、名誉会員)
「日本平和学会40年-回顧と展望-」
15:30-18:00 部会
部会2「平和的なコミュニティの創造」
報告:田中勝(現代美術・映像作家)
「コミュニティの平和創造におけるアートの力」
報告:榎井縁(大阪大学)
「多文化共生の実践を通じた地域づくり」
報告:杉浦真理(立命館宇治中学校高等学校)
「個人と社会を結ぶシティズンシップ教育-社会科の授業実践を通して」
討論:村上登司文(京都教育大学)
司会:奥本京子(大阪女学院大学)
18:20-20:20 懇親会
6月16日(日)
9:00-11:30 部会
部会3「3・11後の平和研究①-分断を見据え乗り越えるために」
報告:吉野裕之(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
「福島の現実を生きるということ」
報告:猪瀬浩平(明治学院大学)
「『知を編み直す』」:原子力災害と生きるための人類学へ」
報告:鬼頭秀一(東京大学)
「水俣病事件との対比から-分断を乗り越えるために-」
討論:蓮井誠一郎(茨城大学)
司会:藤岡恵美子(法政大学)
11:30-12:20 昼休み
12:20-14:20 分科会
14:30-17:00 部会
部会4(開催校企画部会):「昂進する軍事化に抗う」
報告:アンドレアス・ザイフェルト(軍事化情報協会)
「ノーベル平和賞受賞者・欧州連合の軍事化」
報告:崔勝久(No Nukes Asia Actions Japan[NNAA-J]事務局長)
「原発体制に立ち向かう国際連帯運動をめざして」
報告:藤目ゆき(大阪大学)
「広島湾地域の軍事化と性暴力」
報告:山根和代(立命館大学)
「平和博物館の展示改変に対抗する草の根の取り組み」
司会:松野明久(大阪大学)
自由論題部会2
報告:川口徹(早稲田大学院)
「平和活動 を行う地方自治体の構造-有事法制を巡る長野県における県市町村の動態分析-」
報告:盧相永(大阪産業大学)
「1990年代以降における韓国女性政策の変化と焦点―ジェンダー視点から―」
討論:進藤兵(都留文科大学)
司会:湯浅正恵(広島市立大学)