日本平和学会 2011年度秋季研究集会
集会テーマ
「世界構造の揺らぎ――躍動するアクターとの交錯」
2011年10月29日(土)~30日(日)
広島修道大学 5号館・6号館
【住所】〒731-3195広島市安佐南区大塚東1-1-1
分科会についてはこちらをご覧下さい。
開催趣旨
2010年末に始まったチュニジアでの騒乱は、民主化要求の大きなうねりとなって短期間で周辺諸国へと伝播し、2011年春、中東地域を覆った。人々の連帯が体制変革をもたらすことは、1989年の東欧革命を通じて、明らかとなっていた。しかし東欧革命から20年が経過した今、発達した情報通信技術に支えられた人々のつながりが生み出す力は、我々の経験に基づく想像を大きく超えていたのではないだろうか。民衆の力を背景として、国家の機能や役割が改めて問われているといえよう。
グローバル化した国際社会の中で人々は国家に何をもとめ、何に絶望するのか。人々は連帯に何を期待し、何を手に入れようとしているのか。本集会では人々の連帯は世界を安定へと導くのか、さらには人々の連帯は新しい国家像、国際社会構造を生み出すのかを、あらためて問うこととしたい。
10月29日(土)
午後の部
13:00~15:00 分科会(詳細は別紙参照)
15:10~16:00 総会
16:10~18:40 部会I(開催校企画)/自由論題部会
部会I(開催校企画):「世界構造の揺らぎ――<アラブの春>を超えて」
報告:清末愛砂(室蘭工業大学)
「<アラブの春>の根底にあるもの――パレスチナにおける非暴力運動の歴史とその可能性」
報告:舩田クラーセンさやか(東京外国語大学)
「『アラブの春』とサハラ以南アフリカ~比較と関係性の視点から~」
報告:笹岡伸矢(広島修道大学)
「体制変動研究からの示唆――旧ソ連・東欧地域の変動を事例に」
討論:王偉彬(広島修道大学)
司会:吉川元(上智大学)
自由論題部会:「核エネルギーの『平和的』利用を問う――ヒロシマからフクシマ」
報告:吉岡斉(九州大学)
「フクシマ事故をなぜ防げなかったのか」
報告:湯浅一郎(ピースデポ)
「人類によるグローバルな放射能汚染を振りかえる」
報告:奥田孝晴(文教大学)
「国際学からの『核』批判――”プルトニウム・ロード”の彼方、地球市民社会の行方」
討論:中野洋一(九州国際大学)
司会:児玉克也(三重大学)
19:30~21:30 懇親会
10月30日
午前の部
9:30~12:00 部会II(分科会企画)/自由論題部会
部会II(分科会企画):テーマ「フクシマは今―ヒロシマで問う」
(企画担当:「環境・平和」「グローバルヒバクシャ」)
企画趣旨:「フクシマは今」どうなっているのか、現地の当事者の方の声を出発点に、調査・取材で現地に入っている方々の声を交差させ掘り下げる。「これからのフクシマ」も視野に入れ議論を繰り広げ、いまヒロシマで平和学としてその現実とどう向き合うのか、深める機会としたい。本部会はシンポジウム形式でおこなう。
発話者:長谷川健一(福島県飯舘村の酪農家)
七沢潔(NHK放送文化研究所、ETV特集「放射能汚染地図」ディレクター)
振津かつみ(兵庫医科大・非常勤、「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」事務局)
司会:竹峰誠一郎(三重大学)
*当日、状況に応じて、発話者が変更になる可能性があります。
自由論題部会:「人類学的アプローチからの平和学への挑戦」
企画趣旨:この部会の目的は、文化人類学の立場から平和学の方法論的・理論的枠組みの拡大に貢献することである。
報告:福武慎太郎(上智大学)
「ローカルな場に見るポジティブピース-紛争と難民支援の現場を事例に-」
報告:中原聖乃(中京大学)
「原発に抗する地域社会――山口県上関町祝島の事例から」
報告:栗本英世(大阪大学)
「南部スーダンにおける草の根平和構築」
報告:佐藤壮広(恵泉女学院大学)
「死をふまえた平和――沖縄の精神文化が平和学に問いかけるもの」
討論:金敬黙(中京大学)
司会:小田博志(北海道大学)
午後の部
12:30~14:30 分科会(詳細は別紙参照)
14:40~17:10 部会III(分科会企画)/自由論題部会/映画上映(分科会企画)
部会III(分科会企画)
「対テロ戦争の10年を振り返る──安全の専制、世界内戦、法の弛緩・変容、市民による修復」(企画担当:「憲法と平和」)
報告:岡本篤尚(神戸学院大学)
「境界なき戦争、戦争と平和の融合」
報告:古賀敬太(大阪国際大学)
「対テロ戦争とカール・シュミット」
「報告:片野淳彦(札幌大学)
「9/11に非暴力で応答する──ピースフル・トゥモローズの活動にも触れて」
討論:桐山孝信(大阪市立大学)
司会:纐纈厚(山口大学)
自由論題部会:「アフリカ大湖地域の移行期正義」
報告:クロス京子(神戸大学大学院生)
「移行期正義の新潮流――ローカル正義採用における和解の実践とその課題」
報告:佐々木和之(Protestant Institute of Arts and Social Sciences)
「ルワンダ大虐殺後の移行期正義――地域共同体裁判『ガチャチャ』は和解の促進に貢献したのか?」
報告:米川正子(宇都宮大学)
「コンゴにおける重大な人権侵害――アフリカ大湖地域における不処罰文化への対処と司法機関の設立」
討論:武内進一(JICA研究所)
司会:清水奈名子(宇都宮大学)
映画上映(詳細は別紙参照) (企画担当:「平和教育」「非暴力」「平和と芸術」)