特別企画:―ドキュメンタリー映画から平和を考える―
あたりまえの日常生活からは見えてこない世界をアクチュアルに伝えてくれるドキュメンタリー映画。異なる世界と時間の流れの中に身をおくと、これまでとは違った感覚や視点が生まれてくる。「テロリスト」や「クメール・ルージュ」といった抽象化された人間存在ではなく、スクリーンに映る人々の喜怒哀楽を共有することで見えてくる世界の複雑さと奥深さ。イラクとカンボジアを扱った優れたドキュメンタリー映画を、この機会に是非ご覧ください。
『イラク ― ヤシの影で』
6月10日(土)10:30~ 明治学院大学白金校舎 3号館3202教室
6月11日(日)12:20~ 明治学院大学白金校舎 2号館2301教室
In the Shadow of the Palms--Iraq (2005 市民賞)
監督:ウェイン・コールズ=ジャネス
オーストラリア/2005/アラビア語、英語/カラー、モノクロ/ビデオ/90分/日本語・英語字幕あり
■2003年春、イラク攻撃4週間前。アメリカによる攻撃開始が予見されながらも日々の生活に勤しむバクダットの人々。子どもたちにレスリングを熱心に教える元オリンピック代表兼駐車場経営者、カフェでの談義に花を咲かせるおじいさんたち、靴屋のおじさん、大学教授、そして通訳者のパレスティナ人男性…。それぞれが見るイラクと世界に対する考えや立場は異なるが、朗らかであった人々の空気は、爆撃開始後一変する。世界がプロパガンダの嵐にさらされる中で、監督は自分の目で見た「イラク」を伝える。
『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』
6月10日(土)12:10~ 明治学院大学白金校舎 3号館3202教室
6月11日(日)10:30~ 明治学院大学白金校舎 2号館2301教室
S21, the Khmer Rouge Killing Machine (2003 優秀賞)
監督:リティー・パニュ
フランス/2002/カンボジア語/カラー/ビデオ/101分/日本語・英語字幕あり
■クメール・ルージュの政治犯収容所「S21」。かつてS21に収容されていた画家が、大虐殺による加害者と被害者をその場所に集め、非人間的で過酷な日々をインタビューを通じて再現していく。証言で明らかになる真実の数々、対峙する2人のやりとりの迫真性が25年という時を越え、支配のメカニズムや加害の精神構造が浮き彫りになる。カンボジア生まれのリティー・パニュ監督の、故国への想いが静かに脈打つ。
協力:山形国際ドキュメンタリー映画祭
問い合わせ:明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
〒108‐8636 東京都港区白金台1-2-37 Tel:03(5421)5652/Fax:03(5421)5653
会場へのアクセス
最寄り駅:JR品川駅、目黒駅、地下鉄南北線・都営三田線白金高輪駅、白金台駅
入場料:日本平和学会非会員500円(本館3階で受付をお願いします)